CH 01 / 75第1部 導入 ── 全体像をつかむ

はじめに ── このガイドの読み方

このページで分かること

  • このガイドが誰に向けて、何を扱うものかが分かる
  • Git と GitHub を学ぶ順番(全11部の地図)が分かる
  • 自分がどこから読み始めればよいかを判断できる
このページの目次15 items

Git と GitHub は「エンジニアが使うもの」と思われがちですが、実際にやっていることは ファイルの変更履歴を残し、それを人と共有する という、きわめて単純なことです。難しく感じるのは、機能が多いからではなく、用語と概念が最初にまとめて襲ってくるからです。

このガイドは、その概念を一つずつ、必要になった順に解きほぐしていきます。

このガイドが扱う範囲#

全75ページを11の部に分け、大きく Git編 と GitHub編 の2ブロックで構成しています。

Git編(第1部〜第5部・35ページ)#

自分のPCの中だけで完結する話です。インターネット接続は一度も必要ありません。

部 テーマ 何ができるようになるか
第1部 導入 Git と GitHub の違いが分かり、アカウントが使える
第2部 Gitの基礎 手元のPCだけで変更履歴を記録・復元できる
第3部 Gitの内部構造 コマンドの結果を暗記ではなく理解で説明できる
第4部 ブランチとマージ 作業を分岐させ、安全に統合できる
第5部 実務テクニック stash・bisect・hooks など現場の道具が使える

GitHub編(第6部〜第11部・40ページ)#

ここから初めてインターネットが登場します。

部 テーマ 何ができるようになるか
第6部 GitHubと繋ぐ 手元の履歴をクラウドに上げ、取得できる
第7部 共同開発 Issue / Pull Request で人と一緒に開発できる
第8部 GitHubの機能 README・ライセンス・Pages などを使いこなせる
第9部 GitHub Actions テストや公開を自動化できる
第10部 ツール GUI や CLI で日常作業を速くできる
第11部 実践と逆引き 実際のワークフローを組み、トラブルから復旧できる

なぜ Git を先に、GitHub を後にするのか#

このガイドは、第5部まで GitHub の話を一切しません。これは意図的な設計です。

初心者が最もつまずくのは、次のような場面です。

コミットしたのに、GitHub のページを見ても何も変わっていない。

これは Git と GitHub を同時に学んだ結果、「記録する」と「送る」が別の操作だと分かっていないために起きます。順番に学べば、そもそも起きません。

Git 単体を先に理解しておけば、GitHub は「Git のリポジトリを預かってくれるサービス」として素直に頭に入ります。遠回りに見えて、これが最短です。

読む順番の目安#

読む人の5つのタイプごとに、入口になる部と読み進める範囲を示した学習ロードマップ

緑の丸が入口、矢印が読み進める範囲です。破線は流し読みでよいところ、または必要なときに戻って補うところです。

まったくの初心者#

第2部は必ず手を動かしながら読んでください。練習用に捨ててよいフォルダを1つ作り、そこで全部試すのが最短です。第3部は、第4部で「なぜそうなるのか」が気になったときに戻ってくると腑に落ちます。

「なんとなく push はしている」人#

第1部の03(GitとGitHubの違い)と第2部の08(Gitの3つのエリア)の2ページで、いま自分が何をしているのかが繋がります。図にはありませんが、第3部と第5部がこの層にとって最も収穫の大きい部です。

チームで使い始める人#

第4部の28(ブランチ戦略)で運用の形を決め、そこから逆算して足りない知識を補います。組織で使うなら、第7部の49(Organization とチーム権限)を最初に押さえてください。

自動化・CI/CDが目的の人#

Actions は push や Pull Request をきっかけに動くため、第6部と第7部の45(Pull Request)が前提になります。

トラブル対応で来た人#

第11部の73(困ったときの逆引き集)は、症状から引ける索引になっています。

前提と準備するもの#

必要なもの 備考
PC(Windows / macOS / Linux) どれでも構いません。コマンドはOS別に併記します
ターミナルを開けること Windows は PowerShell、macOS は「ターミナル」アプリ
メールアドレス GitHub アカウント作成に使います
テキストエディタ VS Code を推奨(第10部で連携方法を扱います)

プログラミングの知識は不要です。このガイドで扱うファイルは、テキストファイル1枚から始めます。

コマンドの表記について#

本文中のコマンドは、そのままコピーして貼り付けられる形で書いています。

text1 lines
git status

行頭に $ や > は付けません。実行結果を示すときは、コメントで区切ります。

text5 lines
git status

# 出力:
# On branch main
# nothing to commit, working tree clean

取り返しのつかない操作には、必ず次の形式で警告を付けます。

情報の鮮度について#

GitHub の画面デザイン・メニュー名・料金体系は頻繁に変わります。このガイドは 2026年8月時点 の情報で書かれています。

一方で、Git そのものの仕組み(コミット、ブランチ、マージ)は10年以上ほとんど変わっていません。画面の話は変わるが、仕組みの話は変わらない ── この区別を意識しながら読むと、多少UIが変わっても迷いません。

Git編(第1部〜第5部)で学ぶことは、GitHub から GitLab や Bitbucket に移っても、そのまま使えます。時間を投資する価値が最も高いのはこの範囲です。

画面の手順が本文と食い違ったときは、GitHub公式ドキュメント(日本語)を確認してください。

まとめ#

  • このガイドは全75ページ・11部構成。Git編(35ページ)と GitHub編(40ページ)に分かれる
  • 第5部まで GitHub は登場しない。「記録する」と「送る」を混同させないための設計
  • 第2部は必ず手を動かしながら読む。練習用の捨ててよいフォルダを用意する
  • 第3部(内部構造)は初読では流し読みでよい。第4部で疑問が出たら戻ってくる
  • 仕組みの話(Git)は変わらず他サービスでも使えるが、画面の話(GitHub)は変わる

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02. バージョン管理とは何か ── 最終_修正版_v2.zip を作り続ける生活から抜け出す理由を説明します。